こんにちは、Pickle PeopleのRYUSEIです。
ピックルボールを続けるほど、ダブルスでは「どんなショットを打つか」と同じくらい、「どこに立っているか」が大事だと感じるようになりました。
始めた頃はボールを返すことで精いっぱいでしたが、少しずつラリーが続くようになると、同じようなショットを打っているのに失点する場面が増えてきたんです。
振り返ってみると、その多くはパートナーとの距離が空いていたり、私だけが前へ出ていたり、相手に振られたあと元の位置へ戻れていなかったりしたときでした。
レベルが上がるほど、ボールは空いた場所に向かって飛んできます。逆に言えば、派手なショットがなくても、2人の位置関係が安定するだけで守れるボールはかなり増えるということです。
ダブルスの基本は、2人で同じ前後位置を保ちながら、チャンスがあれば一緒にキッチンラインへ進むことです。
片方だけが動くのではなく、ペアでひとつの壁のように動く感覚を持つと、中央や足元にできる空間を減らしやすくなります。
この記事では、サーブ側とレシーブ側の開始位置から、ラリー中の横移動、キッチンラインへの進み方、崩されたときの戻り方まで、私が実戦で意識しているポイントを順番に解説します。
ピックルボールにおけるポジションとは
最初に押さえておきたいのは、ピックルボールにはサッカーのゴールキーパーや野球の捕手のような固定ポジションはありません。
ダブルスではサーバー、レシーバー、各パートナーという役割はありますが、ラリーが始まれば状況に応じて前後左右へ動き続けます。
固定ポジションは存在しない
ルール上、サーブを打つ人と受ける人には正しいサービス位置があります。一方で、そのパートナーまで同じ場所に固定されるわけではありません。
USA Pickleballの2026年ルールでも、サーバーまたはレシーバーのパートナーは自陣側で位置を取ることができ、スタッキングのような配置も認められています。
ただし、「どこに立ってもよい」と「どこに立っても同じ」は別の話です。実戦ではツーバウンドルールがあるため、サーブ側とレシーブ側で最初に取りやすい位置が異なります。
詳しいサーブ順や得点との関係は、ピックルボールのダブルスのルールで解説しています。
また、競技会では採用される得点方式や大会要項が異なる場合もあります。細かな判定が必要な場面では、最新の公式ルールと参加する大会の要項を確認してください。
(出典:USA Pickleball「Official USA Pickleball Rulebook」)
3つのエリアで考える
私はコート上の位置を考えるとき、ベースライン付近、トランジションゾーン、キッチンライン付近の3つに分けてイメージしています。
細かな距離を覚えるより、「今は後ろなのか、前へ移動中なのか、ネット前を取れているのか」を判断しやすいからです。
| エリア | 主な場面 | 意識したいこと |
|---|---|---|
| ベースライン付近 | サーブ、リターン、深い球への対応 | 前へ急がず次の一球を安定して打つ |
| トランジションゾーン | キッチンラインへ進む途中 | 相手が打つ瞬間に止まり、足元の球へ備える |
| キッチンライン付近 | ディンク、ボレー、ブロック | 2人で横幅を守り、浮いた球を待つ |

ネットとコートライン。ダブルスではキッチンラインまでの距離と2人の前後位置を意識して動きます
ネットからキッチンラインまでは約2.13mあります。キッチン内に入ることは禁止されていませんが、キッチンやその境界線に触れた状態ではボレーできません。
基本ルールに不安がある場合は、サーブ・ツーバウンドルール・キッチンの3点を先に確認しておくと、ポジショニングの意味が分かりやすくなります。
位置取りではじめに覚えたいこと
「自分は右側担当」「私は左側担当」と固定して考えるより、ボールの位置に合わせて2人で前後左右へ動く方が実戦では大切です。特に前後のズレが大きくなると、相手から見て狙える空間が増えやすくなります。
ダブルスの基本ポジショニング
ダブルスではコートを2人で守るので、一人ひとりが広い範囲を走り回る必要はありません。むしろ、自分だけがボールを追ってパートナーとの位置関係を崩す方が失点につながりやすいと感じます。
2人で同じラインを作る
私が最も意識しているのは、パートナーと前後の位置をできるだけ揃えることです。2人ともキッチンラインならキッチンライン、前進途中なら2人とも同じくらいの深さ。完全に一直線である必要はありませんが、大きく前後に分かれないことが重要です。
例えば、私だけがキッチンラインまで出て、パートナーがベースライン付近に残っているとします。
この形では、私の横を抜かれた球を後ろのパートナーが取りにくく、反対に後ろへ送られた球へ私が戻るのも大変です。斜めに大きな空間が生まれ、相手はそこへ打ちやすくなります。
それなら、1球で一気に前へ出るより、パートナーと足並みを合わせて数回に分けて進む方が安定します。ダブルスでは「自分が前を取る」ではなく、「2人で前を取る」という感覚がしっくりきます。

ゲーム中に迷ったら、ボールだけでなく一瞬パートナーの位置も見ています。相手が打つ直前に横目で確認するだけでも、自分だけ前へ行きすぎる場面がかなり減りました。難しい戦術より、まず2人の前後位置を合わせるところから始めるのがおすすめです。
左右の間隔を空けすぎない
前後だけでなく、左右の間隔も大切です。サイドラインを守ろうとして2人が外側へ離れすぎると、中央が大きく空きます。反対に中央へ寄りすぎると、角度をつけたボールへ届きにくくなります。
基本は、自分の半面を守りながら、中央の球にも手が届く距離を保つことです。相手がクロス方向へ打ちやすい状況なら少しそちらへ寄り、ストレート方向が開けばパートナーと一緒に戻ります。
コートを半分ずつ色分けして守るというより、2人の守備範囲が少し重なる状態を作るイメージです。
中央のボールをどちらが取るかは、利き手や得意ショット、パートナーとの約束によって変わります。「真ん中は必ずフォアハンド側」という決まりではありません。
ゲーム前に「迷ったら声を出す」「この組み合わせなら中央は私が多めに取る」と確認しておくだけでも、お見合いする場面は減らせるでしょう。
ボールに合わせて横移動する
相手がコートの右側から打つなら、こちらの2人もその方向へ少しずつ寄ります。次に相手が反対側へ展開すれば、2人で反対へ移動します。私はこれを、ボールとネットを結んだ線にペア全体がついていくような感覚で捉えています。
片方だけが大きく横へ動くと、2人の間が開きます。そこで必要なのが、パートナーが動いた方向へもう一人も連動することです。
例えば私がサイドライン側へ追い出されたら、パートナーも中央方向へ寄って空いた場所を埋める。私が戻れば、パートナーも元の幅へ戻ります。
ダブルスのポジショニングは「自分の場所を守り続ける」より、2人の間に大きな穴を作らないよう形を変える方が分かりやすいでしょう。
サーブ側の立ち位置と動き
サーブ側は、ツーバウンドルールの影響で最初からネット前へ行けません。サーブの次に相手のリターンを一度バウンドさせる必要があるため、まず後方で第3打を打ち、その後に前進する流れが基本になります。
サーブ時は後方で構える
サーバーはルール上、正しいサービスエリアのベースライン後方からサーブします。一方、パートナーは必ずベースライン後方にいなければならないわけではありませんが、実戦では、パートナーも後方寄りで構える形が分かりやすいです。
理由は単純で、相手のリターンをサーブ側はバウンドさせてから打たなければならないからです。パートナーだけがキッチンライン付近へ出ていると、深いリターンに対して後方へ下がらなくてはなりません。
後ろ向きに急いで移動するより、最初から十分な距離を取っておく方が次の一球へ入りやすくなります。
サーブ側は「サーブを打ったら前へ走る」と覚えない方がよいでしょう。まず深いリターンを落ち着いてバウンドさせ、第3打を打てる姿勢を作ること。そのうえで前へ進むという順番です。
第3打後に一緒に前進する
第3打でサードショットドロップを相手のキッチンへ入れられると、ボールがゆっくり飛ぶ時間を使って前へ進めます。ただし、ドロップを打ったからといって必ず一気にキッチンラインまで走る必要はありません。
少し高く浮いた場合、相手は前から速いボールを返せます。その状態で走り続けると、足元へ来たボールに対応しにくくなります。
相手が打つ前にいったん止まり、次の球が低く返ってきたらもう一度前へ進む。前進と停止を繰り返しながら安全に距離を詰める方が実戦的です。
サードショットドライブを選んだ場合も考え方は同じです。ドライブで相手の浅い返球を引き出せれば前進できますが、返球が深く速ければ無理に詰めません。第3打の種類ではなく、そのボールが作った時間と相手の打点を見て次の位置を決めます。
途中では相手の打球時に止まる
ベースラインとキッチンラインの間は、トランジションゾーンと呼ばれます。ここは「立ってはいけない場所」ではありません。むしろ、サーブ側がネット前へ進む途中では必ず通る場所です。
問題は、相手が打つ瞬間にも走り続けていることです。身体が前へ流れていると、足元へ落ちるボールや身体の横へ来るボールに反応しにくくなります。そこで相手のインパクト直前に小さく止まり、重心を落として左右へ動ける状態を作ります。
返球が足元へ来たら、無理に攻撃せずキッチンへ短く返すリセットを使い、もう一度前進する時間を作ります。1回でキッチンラインまで届かなくても大丈夫です。2人で同じくらいの位置に止まりながら、少しずつ詰めていきます。

ダブルスではボールへ反応するだけでなく、打球後にパートナーとの位置関係を戻すことも大切です
第3打のドロップやドライブなど基本ショットそのものについて確認したい方は、ピックルボールの打ち方入門も参考にしてください。
ポジショニングはショットと切り離すより、「この球を打ったあと、次にどこへ立つか」までセットで考えると身につきやすくなりますよ。
レシーブ側の立ち位置と動き
レシーブ側はサーブ側より先にキッチンラインへと進みやすい立場です。サーブを受ける選手は後方で待ちますが、そのパートナーは最初から前で構えることができます。そしてレシーバーも、深いリターンを打ったあとに前へ進みやすくなります。
レシーバーは後方で待つ
サーブは一度バウンドさせてから返す必要があるため、レシーバーはベースライン付近、場合によっては少し後ろに立って待ちます。
深いサーブに対して前へ入りすぎると、下がりながら打つことになり、リターン後の前進も遅れます。
私は相手のサーブの深さを見ながら、余裕を持って一歩前へ入れるくらいの位置を意識しています。短いサーブなら前へ入り、深いサーブならその場で待つ。最初からギリギリの位置を決めるより、相手に合わせて調整した方が安定します。
パートナーは前で構えられる
レシーバーのパートナーは、ルール上レシーバーと同じ後方に立つ必要はありません。一般的なダブルスではキッチンライン付近で構え、リターンを打ったレシーバーが前へ来るのを待つ形になります。
この時点では一時的に前後が分かれていますが、これはサーブを受けるための開始配置です。リターン後はレシーバーが前へ進み、できるだけ早く2人がキッチンライン付近で横並びになることを目指します。
なお、パートナーの開始位置には自由度があるため、スタッキングを使うペアでは通常とは違う位置から始めることもあります。
ただ、初心者の段階では複雑な配置を覚えるより、レシーバーが後ろ、パートナーが前という基本形から慣れる方が分かりやすいと思います。
深いリターン後に前へ出る
レシーブ側が前を取りやすい理由は、サーブ側がリターンをバウンドさせる必要があるからです。リターンを深く送ると、相手をベースライン付近に残しやすく、その間にレシーバーがキッチンラインへ進む時間を作れます。
ここで大切なのは、リターンそのものを無理に決めにいかないことです。速さよりも深さと安定性を優先し、打ったら前へ進む…。
私はこの流れを意識するようになってから、レシーブ側で最初から後手に回る場面が減りました。
ただし、浅いリターンになって相手が高い位置から第3打を打てる場合は注意が必要です。無条件にネットへ突っ込むのではなく、相手が攻撃しやすい姿勢なら一度止まり、返球へ備えながら位置を詰めていきます。
キッチンラインでの位置取り
ダブルスで両者がキッチンライン付近まで進めたら、そこからはディンク、ボレー、ブロック、スピードアップなどネット前の攻防が中心になります。ここでは前後へ大きく走るより、2人の横移動と間隔の保ち方が重要です。
ライン付近を基本位置にする
キッチンラインへ到達したら、必要以上に後ろへ離れないのが基本です。ラインから距離が空くほど、相手がこちらの足元へ落とせる範囲が広がり、ネットより低い位置で触る場面が増えます。
もちろん、ロブへの備えや相手の攻撃によって一時的に下がることはあります。ただ、守ったあとにそのまま後方へ残るのではなく、チャンスがあれば再びライン付近へ戻ります。前へ出ること自体が目的ではなく、相手に角度と足元の空間を与えにくくするためです。
キッチンではボレーの制限があるため、ラインを踏まないよう足元にも注意します。勢いでキッチンへ入るとフォルトになる場面もあるので、前へ詰めるほど身体のバランスが大切です。
中央のボールを2人で守る
ネット前では中央付近がよく狙われます。2人の中間はどちらが取るか迷いやすいからです。そこで「自分の半面だけ守る」という意識を緩め、中央の球へ2人ともが反応できる姿勢を作ります。
右利き同士であれば、組み合わせによっては中央にフォアハンドが来る選手が取りやすい場面が多いでしょう。
しかし、打点の高さや身体の向き、ボールの速さによっては反対側が処理した方が自然なケースもあるため、一概に決めつけず、短い声かけを行うのが現実的です。
「ミー」「お願い」「取る」など、ペアで通じる言葉を決めておけば十分です。技術的には打てるボールでも、2人が同時に迷うと一瞬で遅れます。ポジショニングとコミュニケーションはセットと考えるのがよいでしょう。
ディンクで相手を動かす
キッチンラインに4人が揃うと、ただ正面へディンクを返し続けるだけでは大きな変化が起きにくくなります。そこでクロス方向や相手の足元へ打ち分け、相手2人の位置を少しずつ動かします。
相手が外側へ動けば中央に空間ができ、中央へ寄ればサイドが使いやすくなります。大切なのは、一発で決めようとするのではなく、相手の位置を動かした結果として次の攻撃機会を作ることです。
ディンクの軌道や狙い方については、ピックルボールのディンクの打ち方と狙いで詳しく解説しています。ポジショニングを覚えると、「なぜそこへディンクするのか」も理解しやすくなるはずです。
崩されたときの戻り方
理想の位置を覚えても、ラリー中は必ず崩されます。ワイドへ振られたり、ロブを上げられたり、ポーチへ出たりすれば、2人の位置関係は一時的に変わります。重要なのは、崩れないことではなく、そのあとどう素早く戻るかです。
ワイドに振られたら連動する
例えば、私がサイドライン近くまで追い出された場合、パートナーがその場に残ると中央が大きく開きます。そのため、私が外へ動いた分だけパートナーも中央方向へ寄り、2人の距離を保ちます。
そして私が中央へ戻るとき、パートナーも元のエリアへ戻る。こうして2人が同じ方向へ少しずつ移動すれば、相手に見せる空間を小さくできます。横移動は片方の選手だけの仕事ではありません。
コート上ではボールへ目が行きがちですが、「パートナーが一歩外へ出たら自分も一歩動く」くらいの感覚を持つと連動しやすくなります。
ロブでは無理に後ろ走りしない
キッチンラインにいるとき頭上を越えるロブが来たら、後方へ下がる必要がありますが、この時、真後ろへ走りながらボールだけを見るとバランスを崩しやすくなります。
身体を横向きにして移動し、余裕がなければ無理なスマッシュを狙わず、バウンドさせて立て直しましょう。
片方がロブを追うときも、もう一人はネット前に残ったままにせず、状況に合わせて一緒に下がります。前後に大きく分かれると、返球後に再び空間を狙われやすいためです。
ポーチ後は空いた場所を埋める
パートナー側へ来たボールを横切って処理するポーチは、うまく使えば相手の予想を外せます。ただ、打った選手がそのまま反対側へ残ると、元いた場所が空きます。
そこで、ポーチした選手が戻るのか、もう一人が反対側へ入れ替わるのかを素早く判断します。毎回元の左右へ戻る必要はありません。打球後の位置関係を見て、2人の間隔が自然になる配置へ移る方がスムーズです。
この考え方が進むと、スタッキングやスイッチといった戦術にもつながります。ただし、先に複雑な形を覚えるより、まず「空いた場所を2人で埋める」ことを習慣にした方が使いやすいでしょう。
勝ち方につながる位置取り
「ピックルボールで勝つためには何をすればいいか」を考えると、速いドライブや決め球に目が向きやすいかもしれません。しかし、ダブルスでは打球の威力だけでなく、相手に簡単な空間を与えないことが得点の土台になります。
攻め急がず前を取る
サーブ側では、相手がすでにキッチンラインにいるのに後方から無理な決め球を狙うと、ネットやアウトが増えやすくなります。
まずドロップやリセットで相手に低い打点で打たせ、自分たちが前へ進める時間を確保する。そのあとで攻撃できる球を待つ方がラリーを組み立てやすくなります。
レシーブ側なら、深いリターンを使って先にキッチンラインを取る。ネット前まで進んだら不用意に下がらず、2人で相手の前進を止める。この「どちらが前を取っているか」を意識するだけでも、ポイントの流れが見えやすくなります。
相手の足元へ集める
相手が前進中なら、身体の上半身へ速い球を打つより、足元へ沈むボールの方が攻撃されにくい場面があります。特にトランジションゾーンにいる相手は、動きながら低いボールを処理する必要があるため、姿勢を崩しやすくなります。
反対に自分たちが前進中なら、相手から同じように足元を狙われると考えておきます。だからこそ、相手が打つ瞬間に止まること、パドルを身体の前に置くこと、必要ならリセットで時間を作ることが重要です。
ポジショニングは守備だけの話ではありません。相手を動かし、こちらが次に打ちやすい場所を作るという意味では、攻撃の準備でもあります。
声かけで迷いを減らす
ダブルスでは、同じレベルの2人でも声かけがあるペアとないペアで動きやすさが変わります。中央の球、ロブ、ポーチ、左右の入れ替わりなど、迷いやすい場面ほど短い言葉が役立ちます。
「取る」「お願い」「下がる」「そのまま」くらいで十分です。長く説明する必要はありません。打球中に意思が伝われば、2人で同じ方向へ動きやすくなります。
USA Pickleballのレベル4の技能項目でも、パートナーの位置を把握し、チームとして動くことが戦術面の要素として示されています。
上達するほどショットの種類だけでなく、パートナーとの位置関係が重要になることが分かりますね。
(出典:USA Pickleball「Skill Level Four」)

私自身、DUPR4.0を目指して練習する中で、最近は「良い球を打てたか」だけでなく「打ったあとにどこへ戻ったか」を見るようになりました。ナイスショットの直後に位置が崩れて失点することは普通にあります。ショットの評価と次の立ち位置をセットで振り返ると、ゲームの見え方が変わってきますよ。
ポジショニングの練習方法
位置取りは説明を読んだだけでは身につきにくい部分です。私はゲームの中で覚えることも多いですが、動きだけを切り出した練習をすると「なぜ今そこに立つのか」が分かりやすくなります。
2人で横移動を反復する
まず取り組みやすいのが、2人でキッチンラインに立ち、相手役に左右へボールを打ち分けてもらう練習です。ボールを打つ側へ2人で寄り、反対へ展開されたら一緒に戻ります。
このとき、ボールを打つ人だけが大きく移動しないようにします。パートナーとの間隔がどのくらい開いたら中央が危なくなるか、自分たちの身体で確認するのが目的です。
最初はゆっくりしたディンクで構いません。慣れてきたらボレーを混ぜ、相手役が意図的に中央やサイドへ打ち分けます。点数を付けず、2人の間隔だけに注目すると感覚をつかみやすいでしょう。
前進とリセットを反復する
次は、サーブ側を想定してベースライン付近からスタートします。相手役はキッチンラインに立ち、こちらは第3打のドロップやリセットを使いながら2人で前進します。
一球打つたびに前へ走るのではなく、相手が打つ瞬間にいったん止まることをルールにします。足元へ来たら短く返し、余裕ができたら一歩か二歩前へ進む。これを繰り返して2人ともキッチンラインまで到達できれば成功です。
この練習では、片方のドロップだけが良くても、もう一人が後方に残っていたらやり直します。ショットの成功より2人で前進できたかを優先すると、ダブルスの位置取りに直結します。
ゲームでは一つだけ確認する
実戦で全部を同時に意識すると、かえって動けなくなることがあるため、1ゲームごとにテーマをひとつ決めます。
例えば「今日はパートナーと前後を揃える」「レシーブ後は必ず前へ出る」「相手が打つ瞬間に止まる」といった具合です。
ゲーム後は、勝敗だけでなく失点した場面を思い出します。ネットミスに見えても、その前に走りながら打っていなかったか。中央を抜かれたなら、2人の間隔が開いていなかったか。ロブで崩れたあと、片方だけ前に残っていなかったか。原因を位置までさかのぼると次の練習テーマが見えてきます。

実戦形式ではショットだけでなく、パートナーとの前後左右の距離も確認するとポジショニングを覚えやすくなります
ペアで基礎練習を始めるために道具をまとめて揃える場合は、パドル2本とボールをまとめたセットも選択肢になります。ただし、競技会で使う予定があるなら、公認状況やパドルの仕様を購入前に確認しましょう。
足元の動きやすさも確認する
ポジショニング練習では、前後だけでなく細かな横移動や急停止を何度も行います。ランニングのように前へ進む動きとは違うため、靴の横方向の支えや床との相性も確認しておきたいところです。
私は実際にプレーしてみて、普通のスニーカーよりコート用のシューズの方が左右へ動く場面で使いやすいと感じました。
これから選ぶなら、横方向の切り返しに対応しやすいコートシューズを基準に考えると選びやすいでしょう。屋内と屋外で選び方が変わるため、詳しくはピックルボールシューズの選び方も参考にしてください。

私がピックルボールで使用しているミズノのコートシューズ。横移動や急停止が多い競技では足元も確認しておきたいポイントです
ピックルボールのポジショニングに関する疑問
最後に、ピックルボールのポジションやダブルスの動き方について、ゲーム中に迷いやすいポイントをまとめます。
ポジショニングについてよくある質問
Q1. ダブルスでは最初から2人ともキッチンラインに立てますか?
A. ラリー開始時の立ち位置はサーブ側とレシーブ側で異なります。サーバーはベースライン後方からサーブし、レシーバーはサーブをバウンドさせるため後方で待つのが基本です。レシーバーのパートナーはキッチンライン付近で構えることができますが、サーブ側はリターンを一度バウンドさせる必要があるため、戦術上は2人とも後方から始める形が一般的です。
Q2. サードショットを打ったらすぐ前へ出るべきですか?
A. 毎回一気に前へ出る必要はありません。第3打が低く相手のキッチンへ入り、相手が下から打つ状況なら前進しやすくなります。一方、高く浮いて相手が攻撃できる場合は、途中で止まって次の球へ備えた方がよいでしょう。相手の打点を見ながら、パートナーと一緒に段階的に進むのが基本です。
Q3. 2人の間のボールはどちらが取りますか?
A. 必ずどちらが取るという一律の決まりはありません。利き手、打点、身体の向き、ボールの速さによって取りやすい側は変わります。ゲーム前に中央の球について簡単な約束をし、ラリー中は「取る」「お願い」など短い声を使うと迷いを減らせます。
Q4. トランジションゾーンには立たない方がいいですか?
A. 立ってはいけない場所ではありません。サーブ側がキッチンラインへ進む途中では必ず通ります。大切なのは、相手が打つ瞬間に走り続けないことです。途中で姿勢を作り、足元へ来た球をリセットしながら次の前進機会を待ちます。
Q5. スタッキングは初心者でも使った方がいいですか?
A. 最初から必要ではありません。スタッキングは得意なサイドを維持したり、特定の組み合わせを作ったりするための戦術ですが、まず通常の立ち位置でサーブ順とレシーブ位置、2人で動く感覚を覚える方が分かりやすいです。基本形で迷わなくなってから試すと、スタッキングを使う目的も理解しやすくなります。
ピックルボールダブルスのポジションについて総括
ピックルボールのダブルスでポジショニングを考えるとき、私が一番大切にしているのは2人の間隔を保ち、同じ前後位置で動くことです。
サーブ側は後方からサードショットを打ち、相手の返球を見ながら2人で前へ進む。レシーブ側は深いリターンを使って先にキッチンラインを取りやすくする。
ネット前へ入ったら、ボールに合わせて2人で横へ動き、片方が外へ振られたらもう一人が中央を埋めます。
そして崩されたときは、無理にその場で決めようとせず、リセットや深い返球を使って再び2人の形を作る。
これを繰り返すだけで、相手から見える空間は小さくなっていきます。
- サーブ側はリターンをバウンドさせてから2人で前進する
- レシーブ側は深いリターン後にキッチンラインを目指す
- ラリー中はパートナーと前後左右の距離を保つ
- 相手が打つ瞬間は走り続けず次の球へ備える
- 崩されたら空いた場所を埋めながら2人の形へ戻す
ショットが上達すると、つい「もっと良い球を打たなければ」と考えがちです。しかし、実際のダブルスでは、普通のボールでも正しい位置から打てるだけで次の一球が楽になります。
反対に、良いショットを打っても位置が崩れていれば、その次で簡単に失点することもあります。
次にゲームをするときは、まず一つだけ試してみてください。ボールを打った直後に「パートナーは今どこにいるか」を見ること。そこから2人で同じラインを作る意識が始まります。
私もまだまだ修行中ですが、この視点を持ってからダブルスの動きが以前よりずっと分かりやすくなりましたよ。


